福島県生まれの富田望生さんは11歳で東日本大震災を経験し、神奈川県に移住、その後東京に移住したときに最初の所属事務所となるテアトルアカデミーのタレント募集広告を見て応募して芸能活動を始めました。
応募のきっかけは、遠く離れた「福島の友達の目に留まるかも」という思いだったそうです。
映画初オーディションで出演が決定
NHK朝の連続ドラマ「ブギウギ」の小林小夜 役で印象的に残った人も多いと思いますが初テレビドラマ出演はそれより11年前の悪夢ちゃん 第10話の 矢沢亜紀 役でした。
その後数々のエキストラを経験後、幸いなことに2015年3月オーディションで映画に出演することが決定しました。
その映画は『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(成島出監督)で、富田さんはキーマンとなる浅井松子役でした。
1万人くらいの大々的なオーディションでしたけど、最初の段階では受けてなくて、松子ちゃんの候補がひとりもいなくなってしまったから、松子ちゃんの役だけもう1回再募集しますという案内が養成所のその事務所に流れてきて受けたそうです。
その役のイメージがご飯が大好きな子で、ポッチャリでなければいけないけれども単純に太っていることだけが求められているわけではないということで、事務所の方々もわかっていて『明日オーディションに行けますか?』って連絡が来たんだそうです。
そして無事、初オーディションで初映画出演となったわけです。
富田さんは、映画の公開から3日目に成島出監督と一緒に地元福島・いわき市の劇場で舞台あいさつをすることなったとき、劇場のお客さんの半分くらいが知り合いで、震災当時の担任の先生や親戚も友だちも来てくれました。
「私はいままでそこ(客席)に座っている側だったのに、こっち側に立って作品を届けているんだ」って、いろんな感情が芽生えてきたそうです。
そこに立って地元の皆さんに届けたという出来事が起こったときに、『私は役者の道を行くんだな』って思ったそうです。
なんか実直で素朴な性格がしのばれるエピソードですね。
女優魂を実証!「驚異のビジュアル変化」
ここでいうビジュアル変化とは主に体重の増減のエピソードのことです。
デビュー映画『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』では、成島出監督に『松子ちゃんはご飯が好きな子だからいっぱい食べてね』って言われて、自分なりに「松子ちゃんはもうちょっと太っていたほうがいいのではないか」と思って体重を15キロも増量したそうです。
体重の増減もさることながら、出演するドラマの役によっていろいろな経験や技を習得してきました。
- 映画『ソロモンの偽証』、『モヒカン故郷に帰る』、ドラマ『6from HiGH&LOW THE WORST』、舞台『ジャズ大名』の出演に向けてクラリネットを練習。
- 映画『ソロモンの偽証 前篇』で浅井松子役ではない別の役として劇中校歌をピアノ演奏。
- 映画チアダン出演に向けてチアダンス4種競技(ヒップホップ、ジャズ、ポンダンス、ラインダンス)を練習。
- 映画「あさひなぐ」では薙刀道を経験。
- ドラマ「教場」では、警察学校監修の下で訓練を受け、そして手話を練習。
- 舞台『フラガール dance for smile』 出演に向けてフラダンスとタヒチアンダンスを練習
- 日本テレビ系日曜ドラマ『だが、情熱はある』ではお笑いコンビ南海キャンディーズ山崎静代役として漫才を練習。
またボクシングでオリンピック出場目指すシーンの撮影に向けてボクシングを練習。 - 舞台『ジャズ大名』で狂言回し、三味線も練習。
もともと特技はクラリネット、パーカッションと歌、ドラム、ピアノといわれるが、役作りとはいえいろいろなジャンルの練習や経験を経て見事に役作りに生かしています。
2024年現在、出演映画は16本(2025年公開予定の「港に灯がともる」に出演しています。
テレビドラマは46本、配信ドラマ4本、ラジオドラマ1本、舞台6本、ナレーション7本、CM3本など超人気・超多忙な女優さんなのです。
「富田望生さんてどこが良くてテレビに出れてるんですか?」というドストレートな質問を見たことがありますが、役作りに対する真摯な姿勢と誰からも好かれる性格にあるのではないでしょうか。
なんとなく伊藤 沙莉さんを彷彿とさせる体型(失礼)と全体的なイメージがシンクロして現在の活躍が納得させられますね。
これからも主役もいけるバイプレイヤーとして末永く幅広い活躍を期待します。
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