気候的に冬の乾燥している時期とか温かくなり始めの時期とか、ある程度年齢を重ねると顔の目元や口元、手の肘や脇腹などカサカサして無性に痒くなる肌の部分的な乾燥に悩まされていませんか?
乾燥肌は全体的に乾燥している状態ですが、部分的な乾燥肌は特定の部位が乾燥している状態です。
全体的な乾燥肌と部分的な乾燥肌との違いと、部分的な乾燥についての対策方法について解説します。
部分的な乾燥が出来やすい体の部位
乾燥しやすい部分は、顔で言うと目元、頬、口元です。
他の部分では、首やデコルテ部分、前腕・手・肘・脇の下の周り(脇腹)・腰回り・背中・ひざ・すね・かかとなどです。
症状としては、皮膚のカサカサ感やつっぱり感を感じる場合が多いようです。
また場所によってはひどくなると粉がふいたり、ひび割れが起きたりするケースもあります。
どちらも入浴後や洗顔後に症状を感じやすいのが特徴です。
肌の部分乾燥が起きやすい原因とその対策
肌の部分乾燥を引き起こす原因は主に次のようなことが考えられます。
そもそも皮脂腺が少ない
乾燥しやすい部位に共通しているのは、「皮脂腺」という、皮脂を分泌する組織が少ないという点です。
「皮脂腺」とは皮脂を分泌する器官で、皮脂と汗が混じると皮脂膜ができ、皮膚の水分の蒸発や乾燥を防ぎます。
「皮脂腺」は毛穴の毛根にあり毛穴を通って分泌された皮脂は汗などの水分と混ざると乳化して皮膚の表面をコーティングする皮脂膜を作ります。
この「皮脂膜」は皮膚表面の保湿機能の他に、「皮脂膜」自体が酸性のため殺菌作用があり菌の侵入や繁殖を防ぐ作用もあります。
体中の皮膚の構造は、基本的に大きな違いはありませが、皮脂腺が少ない部分は、皮膚の水分が蒸発しやすく乾燥しやすく、肌トラブルを起こしやすい傾向にあります。
とくに口周り、肘、膝やすねは皮脂腺が少なく乾燥しやすいです。
逆に皮脂腺が最も多いのは頭皮で、次いで、額・鼻などのいわゆる「Tゾーン」も、皮脂の分泌量の多いところです。
体では胸部や背面中央部分などは、比較的乾燥しづらい部位となります。
加齢による皮脂の分泌量の減少している
体質によって皮脂の分泌量が少ないケースもありますが、年齢によっても皮脂の分泌量が変化します。
子どもや高齢者は皮脂の分泌量が少なく、肌が乾燥しやすいです。そのため、皮膚のトラブルが起こりやすいです。
特に女性は、もともと男性に比べて皮脂腺が小さく、皮脂量が少ないといわれていますが、加齢によって皮脂量が減少するのが多くの女性の悩みになっています。
また季節によっても影響されます。
また一般的に寒い時期に体は体温の低下を防ぐために、皮膚への血液量を減らしますが、その結果として皮膚の代謝が低下し、皮脂の分泌量も少なくなります。
洗顔で皮脂を落とし過ぎている
多くの女性は朝の化粧前やお風呂で洗顔料を使用し洗顔をしていると思います。
その際に時間がないからなのか無意識なのか強く擦り過ぎていると皮脂が落ちてしまい、乾燥を招く原因になります。
特に、スクラブ入りの洗顔料は「洗った感」があって洗顔後すっきりしますが、皮脂を落とし過ぎてしまう可能性があるんです。
そのうえ化粧をするのに使うクレンジング剤も肌に対するダメージを与える可能性があります。
入浴の仕方に問題がある
40℃を超える熱いお湯を好まれる方は要注意してください。熱いお湯は皮脂成分を溶かし流出させてしまうのです。
また長風呂などで角質層がふやけてバリア機能が落ちている状態のときにゴシゴシを強くこすって洗うのは、意識的に肌を傷つけているのと同じです。
生活習慣の乱れ
食習慣
偏った食事や不規則な食習慣などによって生活習慣が乱れると、皮脂の分泌がアンバランスになって肌トラブルが起きたりバリア機能が低下したりする原因になります。
睡眠習慣
睡眠時は肌のターンオーバーによる細胞の修復が活性化するのですが、慢性的な睡眠不足はターンオーバーによる細胞の修復を妨げるだけでなく自律神経が乱れて免疫力が低下します。
さらに肌のバリア機能に深刻なダメージを与え、成長ホルモンの分泌を低下させることで肌の修復作用を妨げる結果になりやすいのです。
すると肌のハリやうるおいなどが失われてしまい、敏感肌になる場合があります。
また、交感神経には男性ホルモンを活性化する作用があるため、皮脂分泌が増加し、肌荒れをまねく原因となります。
肌への直接刺激
人は1時間に平均23回(範囲4〜153回)顔を触っているというデータがあります。
例えば1日の活動時間が16時間だとして1日あたり平均414回は顔を触っているということになります。
特に目元は皮膚が薄く水分を蓄えにくい繊細で乾燥しやすい部位なので、疲れた時に思わずこすったりアイメイクをクレンジングを使って落としたり、人によっては前髪が刺激になり乾燥による湿疹ができることがあります。
また口元は特に女性の場合、化粧をする時や直す時など、また食事の時に口元を拭いたりして無意識に刺激を与えていることがあります。
気づきにくいのですが唾液も皮膚にとっては刺激となるので唇や口周りを頻繁に舐めないようにしましょう。
特にコロナやインフルエンザの懸念からいまだにマスクを着用する機会が多く、口元を動かす度に摩擦が起き、マスクを着脱するときにも摩擦による刺激で湿疹ができる場合があります。
さらにマスク着脱時の温度や湿度の変化も口周りの乾燥を引き起こす原因となります。
マスクを着用している時のマスク内は高温・多湿状態ですが、外したときには急に温度と湿度が下がり、いわゆる風呂上り状態の乾燥しやすい状態になるのです。
外的要因(紫外線や外気の乾燥)
衣服などで隠されていない顔や、手、腕、肘、膝などは紫外線や外気の乾燥などの影響をもろに受けやすい箇所になります。
紫外線を過度に浴びると内部への侵入を防いで肌を守ろうとするため、肌の表面は余分な角質が滞った「角質肥厚」の状態になります。
一方、肌の内部はバリア機能が低下して水分が蒸散しやすくなるためより乾燥が進み、肌の水分を保持できなくなり、その結果として肌の乾燥が引き起こされるのです。
特に手指は頻繁な手洗いや消毒で皮脂も水分も奪われる機会が多く乾燥しやすく皮膚トラブルを起こしやすい部位です。
まとめ
女性本来の美しさとは「健康な素肌」が基本です。
肌のトラブルの一つである「乾燥」に対す対策や改善法は個々の特性にもよりますが、つまるところ肌の状態を理解して適切な保湿ケアを心掛けることに尽きると思います。
肌の変化を意識しだした時から一生、肌の健康を保つという事は究極の課題であり続けるでしょう。
ぜひ日頃からのこまめなケアを続けてください。
なお深刻なトラブルは迷わず専門医にご相談されることをおススメいたします。
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