新入社員や若い社員の間では、「気を使うので疲れる」「プライベートの時間を束縛されたくない」などの理由で、会社の飲み会を敬遠する傾向があると受け取られがちですが、新しいスタイルの忘年会が若い人の間で広がりつつあります。
忘年会に参加意向がある人は6割
コロナの影響から人との接触がはばかられ、企業のリモートワークの劇的な普及などで人とのコミュニケーションが圧倒的に激減する中、「会社の飲み会」を敬遠する傾向があると漠然と思われている方もあると思います。
しかし、キリンビールによる「今年の忘年会の参加意欲に対する意識調査」によると、6割を超える人が「参加したい」と答えています。
しかも、年代別に20代(67.8%)、30代(68.3%)の7割近い人が「参加したい」と回答しており、若い世代の方が忘年会に対する参加意向が高い結果になっています。
忘年会の参加理由
このような高い「忘年会の参加意識」の背景には、「職場の人とのコミュニケーション」や「職場の人との関係構築」がそれぞれ3割を超えています。
この背景には依然として、円滑に仕事を進める関係づくりの場として忘年会に参加するという意識の高まりを表す結果がうかがわれます。
忘年会に参加したくない理由
一方、「参加したくない、どちらともいえない」という人の多くは、1位が「気を使うのが疲れる」で約5割、その他「プライベートを優先したいから」「勤務時間外に拘束されたくないから」が高い数値を示しています。
結果的に、 参加理由・参加したくない理由は職場の人との関係づくりは大切にしつつも、プライベートの大切さに対する意識もうかがえる結果になっています。
広がり始める「昼間(日中)の忘年会」とノンアルコール飲料
若者を中心に、「職場のコミュニケーションを図るための忘年会の必要性」を意識しながら、「プラーベートを優先したいという意識」の折衷的な解決として、昼間(日中)の忘年会の広がりになったと考えられます。
若い世代ほど経験率が高い日中の忘年会
日中(午前やお昼、夕方を問わず)に開催される日中の忘年会の参加経験率は2割を超える人が勤務先の日中の忘年会に参加経験があり、それは若い世代ほど経験率が高い傾向があります。
日中の忘年会が良い理由は、
- 「夜の時間が自由に使える」(39.1%)
- 「勤務時間外に拘束されない」(29.7%)
- 「プライベートに影響しない」(29.7%)
- 「健康的な気がする」(29.7%)
などで、オンオフを切り分けて“一日を充実”させることができることが大きな理由のようです。
「ノンアルコール・ビールテイスト飲料は昔に比べて美味しくなった」
職場の仲間とのコミュニケーションがとれてオンオフの切り替えができ、一日が充実してなおかつプライベートもしっかり保てるといいいとこどりのような「日中の忘年会」ですが、ただ単に時間が早いということだけではないようです。
「忘年会」といったらアルコールがつきものといったイメージがありますが、「日中にアルコールを飲むことに抵抗がある」とか「その後の予定に支障が出ることを避ける」という方にとってアルコールは円滑なコミュニケーションアイテムのひとつであるとは限りません。
といって、ジュースやコーラ、コーヒーやお茶といったソフトドリンクでは、アルコール好きの方との親睦は図りにくい。
そこで注目されているのが「ノンアルコール・ビールテイスト飲料」です。
いままでのそれらの類はお世辞にもおいしいとは言えないものが多かったと思いますが、最近では「本物のアルコール飲料」と遜色ないテイストのものが販売され、酒宴を共有するアイテムとしてはもってこいのツールになっています。
事実、日中の忘年会でノンアルコール飲料を飲む人の7割は「昔に比べてノンアルコール・ビールテイスト飲料が美味しくなった」と回答したというデータがあります。
参考記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000148389.html
今後、忘年会の後の新年会、親睦会やチームミーティングなどに、「昼間(日中)のノンアルコール飲み会」が、若者を中心に広がっていくことが期待されます。
まとめ
職場における上司、同僚、他部署との意思疎通、場合よっては取引先や関連業者との外部とのコミュニケーションが図れる重要な機会が忘年会でもあるのです。
この機会を生かして「職場のチームワークを高める良い方法」として活用できるかどうかは今後の自分のスキルアップにもつながっていく大切なきっかけです。
スタンフォード大学ビジネススクールのトーマス・ハレル教授が行った研究によれば、学業成績が優秀であることと社会での成功にはほとんど関係がなく、それよりも重要なのはいろいろな立場の人と上手にコミュニケーションを取れる能力「会話力」だとされています。
社内的にも外部的にもつながりが弱い若い人が、このコミュニケーション力をつけるために積極的に忘年会などの飲み会に参加することは非常に有益な機会だと思います。
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