40代女性の注目が高まる介護マナーの「介護脱毛」とは

「介護脱毛」は将来の自分のために、今の自分ができること

「介護脱毛」という言葉をご存じでしょうか？

「介護脱毛」とは、３，４年前からよく聞かれるようになった言葉で、そもそもは女性対象の医療脱毛専門のクリニックが、「自分の老後を想定し、将来介護される立場になった際に身内や、介護施設などで第三者の介護者に負担とならないように、あらかじめデリケートゾーンＶＩＯ（Vライン、Iライン、Oライン）の毛の脱毛をしておくこと」と定義し命名されたといわれています。

正直、「介護脱毛」の対象となるべく４０代以上の方の認知度は、現在のところそれほど高いとは言えないようですが、脱毛関連の企業・店舗などの働きかけや口コミや、マスコミも特集を組んで公表しているなどの相乗効果もあって、４０歳以上の、特に女性が「介護脱毛」を意識している人が徐々に増えているのも事実です。

４０歳以上というと年齢的にも、すでにお身内の方の介護の経験があったり、同年代から介護の話を聞いたり、その場面を見る機会やマスコミなどでその現状を見て、将来ご自身も“介護される立場”となった時のことを見据え、VIO脱毛を始めているようです。

「VIO脱毛」

VIOとはご存じとは思いますがアンダーヘアを部位ごとにVとIとOのラインにわけて表現した言葉で
Vラインとは、デリケートゾーンの上部を指します。具体的には、ちょうど正面から見える、三角形の部分のことを言います。

別名ビキニラインとも呼ばれていて、下着や水着をつけたときにはみ出てしまう部分でもあります。

VIOラインの中では毛が太いほうで、深剃りしすぎると肌荒れを起こしやすいところであり、なおかつ範囲も広いので、どこまで剃ればいいのかわかりにくく、自分で処理すると失敗してしまうことも多いようです。

ＩラインはVラインの下の、足の付け根の部分に沿った部分で、お尻の手前までを指します。

つまり女性だと女性器のまわり、男性だと男性器の周りの毛のことで、当然のことながら自分では見えにくく、自己処理しにくいところです。

ムレやすく、かぶれることも多く、清潔に保つのが難しい部分です。女性だと生理中などはニオイも出やすくなったり、男性だと蒸れてかゆみが出たりしやすい場所になります。

また環境的に細菌の繁殖がおきやすい場所なので、脱毛することでキレイな状態をキープできます。

Oラインはお尻の穴のまわりのことで、見た目がOの形をしていることからそう呼ばれています。特に肛門を囲む部分のことを指すので、お尻の全面的な部分の脱毛とは異なります。

ここに生えている毛には排泄物や女性だと経血などがつきやすく、ニオイも気になりがちです。毎日の処理や介護時に一番障害になりやすい場所になります。

（ＶＩＯ脱毛）を体験されている人はどのような方なんでしょうか。

まず「VIO脱毛に通い始めた年齢」

• 30歳～34歳（26.9％）
• 25歳～29歳（23.6％）
• 35歳～39歳（19.0％）

「VIO脱毛をしようと思った理由」

• 自己処理がしにくい（55.3％）
• 生理中などの不快感（ニオイ、ムレなど）を軽減したかった（52.2％）
• VIOの毛量が多かった（46.6％）
• 将来介護が必要になった時のことを考えて（15.3％）
• 自己処理で肌トラブルが起きた（14.6％）
• Vラインを好きな形にデザインしたかった（10.6％）

ＶＩＯ脱毛全般と考えると、やっぱり２０代後半から３０代がほとんどです。しかしそのなかでも「将来介護が必要になった時を考えて」という方が、「ＶＩＯ脱毛をしようと思った理由」の上位になるということは、興味深いことですね。

「脱毛後のメリット」

• 自己処理の手間が減る（75.4％）
• ニオイやムレといった悩みから開放される（55.1％）
• 肌トラブルが減る（38.1％）
• 恋人やパートナーに見られても恥ずかしくない（38.0％）
• いろいろなデザインの下着や水着が着られる（32.3％）
• 処理残しがなくなる（30.2％）
• 将来介護が必要になった時の備えになる（22.8％）
• 万が一の事故や病気の時の備えになる（13.4％）

こちらでも「将来介護が必要になった時の備えになる」という回答が見られます。

４０歳以上の「介護脱毛」希望者が急増している背景

おもに女性の医療脱毛を専門としている「リゼクリニック」では、2010年9月から2020年8月末にかけて、「アンダーヘア脱毛を契約した40歳以上の女性患者数」はここ10年間で約75倍と右肩上がりに増えているそうです。

資料引用：《RIZE》

脱毛の秋！全身スタートプランが新登場！顔・VIO含む全身脱毛が148,000円｜医療脱毛専門のリゼクリニック

【脱毛の秋！全身スタートプラン】登場！リゼクリニックの医療脱毛

www.rizeclinic.com

ここ数年単位でみても2017年と2019年にVIO脱毛を受けた患者さんの数を比べると約2.6倍に増加しています。

年代としては20～50代になりますが、なかでも伸び率が高いのが40代。２０１９年では全患者の５５％が４０歳代でした。

年代的に親の介護が現実的なものになり、アンダーヘアは無い方がいいと思い始める年齢だと考えられます。

介護脱毛を始めた年齢には幅がありましたが、もっとも多かったのは30代で、次いで40代・20代が同数で続きます。50代・60代で介護脱毛を始めた方もいました。

介護脱毛をスタートさせた年齢の平均は36歳で、30代後半に差し掛かって介護脱毛を意識し始める人が多いようです。

介護脱毛を思い立ったきっかけは

TVやネットで介護脱毛を知ってからという声は多く、全体の42％を占めています。

週刊女性セブン　　引用：Fujisan Trends

• 親や家族の介護を経験する年代でもあり、将来的にご自身が介護を受けるようになった際に介護スタッフに迷惑をかけたくないという意識から
• メディアで紹介されるなど影響もあって認知度が上がったことで、脱毛の抵抗感が薄まった
• 子育てを終え、自身に費やせる時間が持てるようになった
• 白髪になると脱毛ができないため
• ニオイや不快感を解消したいから

「ご自分の経験から、介護のリスクをなるべく減らしたい」という意識と、「自分に掛けられる時間的、経済的な余裕が出来た」、「メディアなどの影響によって抵抗感が薄らいだ」などが主な理由のようです。

特に注目は「白髪になると脱毛が出来ないから」という理由です。

医療用レーザー脱毛の場合、メラニン色素に選択的に反応する医療用レーザーを、毛と毛母（毛の根元にある毛を作る器官）に照射し、強い熱エネルギーで毛の生える組織を破壊するというもの。黒い色素にのみ反応するので、白髪には効きません。

つまり、白髪が全体的に広がる前に施術するのが好ましく、VIO脱毛を考えている人は、アンダーヘアの白髪が目立たない40～50代前半に済ませておくといいようです。

介護脱毛を経験した人は、どんな方法を選んだのかも気になるところです。

クリニックでの医療レーザー脱毛を選んで介護脱毛をした人が過半数を占めました。

介護脱毛をした人たちは、どこまで脱毛をおこなったのでしょうか。

Vラインは薄く残し、IラインとOラインは毛をなくしたという人が最も多く、全体の48％という結果になりました。

毛をすべてなくす、という人も40％と決して少なくはありませんが、Vラインは脱毛しなかったという人を入れると、約6割がVラインの毛を残していることになります。

介護脱毛に掛けた費用は？

全体での介護脱毛費用は、5万円～10万円までという方が最も多く見られました。

ちなみに医療レーザー脱毛をおこなった人だけをみると、5万～10万円または10万～15万円と答えた方が多くなります。

資料引用：《exciteエピ》介護脱毛ってなに？40代・50代もできる？料金や満足度を経験者に聞いてみた

介護脱毛ってなに？40代・50代もできる？料金や満足度を経験者に聞いてみた

介護脱毛とは将来介護を受ける状況を考えてアンダーヘア（VIO）を脱毛すること。40代～50代で始められる介護脱毛方法や料金を解説するほか、介護脱毛経験者へのアンケート結果も紹介！どこまで脱毛したか？など介護脱毛のリアルを確認できます。

www.excite.co.jp

「介護脱毛」の体験後に感じたメリットとその意義とは

実際、「介護脱毛」をしてどんなメリットと意義があるのでしょうか。

《メリット》

• 清潔、衛生を保てる
• 陰部の炎症や感染症の防止　
• 介護する人の負担軽減
• おむつ交換時のニオイの軽減
• ご自身のストレス軽減と尊厳の維持

「清潔・衛生が保てる」は蒸れや汚れのリスクが減るということで、結果的に「陰部の炎症や感染症の防止」につながります。

「介護する人の負担軽減」は「おむつ交換時のニオイの軽減」と被るところもありますが、介護の排泄後の処理は赤ちゃんのオムツ交換と違って、大変な重労働になります。そのうえムダ毛に絡みついて乾燥した排便を取り除くことは施設の介護士でも大変な行為なのに、自宅で介護される人にとっては、いちばん避けたい行為になるんです。

「介護時のニオイ」も深刻な問題です。実際、施設で実習される介護士でも、このニオイに馴染めず介護士をあきらめてしまう人や、処理中にいつも嘔吐（えず）いて苦労されているという人もいます。

ニオイは介護される方、介護する方両者にとってストレスになっているということですね。

「介護される方のストレス軽減と尊厳の維持」とは、実際介護される時にほとんど毎日繰り返される排泄行為に人の手を借りることはつらいことですし、とても介護される方にとってもストレスがたまるものです。

介護してくれる人（家族）への気兼ねもありますし、とうぜん恥ずかしさもあります。

現場のお話で、認知のある方でも羞恥心からとっても嫌がる人もいるそうですし、実際今の自分に置き換えて考えても、一番人に見せたくない排泄行為を第三者にしてもらうということは、やむ負えないこととはいえ、される方の尊厳に少なからず触れているということも考えられます。

できればその時間をなるべく短時間で簡単にすますために「介護脱毛」は必要不可欠かもしれません。

介護される方としてみても自便の身体に付着した汚物は、誰にも知られずに自分で処理したいのが当たり前ですが、介護される立場となってみれば家族や、他人の介護者にその行為を委ねなくてはならなくなるわけで、人によっては羞恥心や屈辱感で日々ストレスを感じてイライラすることがあることも事実です。

介護脱毛は「未来の自分に起こり得るストレスを、予め今の自分が先回りして労わる行為」と言えます。身体的負担の軽減だけでなく、精神面でも介護される自分、介護してくださる方の双方に大きなメリットをもたらしてくれます。

《デメリット》

メリットがあれば当然、介護脱毛にも４つのデメリットがあります。

• 介護脱毛後は元のアンダーヘアに戻せない
• 脱毛中は多少の羞恥心が伴う
• 照射時に痛みが伴うことがある
• 時間や費用がかかる

介護脱毛を始める前に1度じっくり「VIOをどこからどこまで脱毛するか」考えた方がいいでしょう。

「在宅介護」が余儀なくされる現実

昨今、高齢者を高齢者が介護する「老老介護」や、介護する方、介護される方がいづれも認知症を発症している「認認介護」などの様子がマスコミで見掛けることが増えました。

実際２０２５年には「国民の５人に一人が７５歳となる後期高齢者社会」を目前として、このような介護実態はますます顕著になっていくと思われます。

かさねて少子化や核家族化が進む中で要介護の高齢者がますます増えていけば、当然のように介護をする人材の確保は難しくなり、「施設から在宅へ」という「在宅介護」の割合が増えていくと考えられます。

自宅で介護している方を対象に行った調査では、「介護時のにおい」がお困りごとの上位に挙げられました。

においの悩みは、口に出しづらく表面化しにくいものの、介護している方にとっては非常に深刻な問題であることが分かっています。

大切な人に対して怒りを覚えてしまう罪悪感、老いや衰えを直視しなくてはならない悲しみ、いつまで続くかわからない不安など、ご家族ならではの複雑な感情がそこにはあります。

排泄（せつ）の失敗を繰り返すことが原因で、優しい気持ちで介護に当たれなくなり、悩んでいる方もたくさんいます。

自宅で介護をする人に「介護の困りごと」についてアンケート調査を行い、以下のような結果が報告されています。

1. 自分の精神的負担（63.6%)
2. 自分の身体への負担（37.5％）
3. 要介護者の食事の準備（30.8％）
4. 介護時の臭い（29.3％)
5. 要介護者の衣類や寝具の洗濯（22.1％)
6. 要介護者の部屋の清掃（20.6％）

資料引用：PR Times

参考までに介護専門の介護士のご意見も

• 陰毛に便が付着し、陰部洗浄をしてもなかなかキレイに拭き取れない
• とくに軟便・下痢便の時はアンダーヘアーの部分に便が残ってしまい皮膚がかぶれてしまったり、毛から匂いがして臭くなったりと、不潔になってしまいがち
• そもそもちぢれている毛が多いので、汚れが付着しやすく不潔になりやすく、高齢の方が多いので肌の回復力も衰えるので1度肌トラブルを起こすと症状が長期化する可能性もある
• 取りにくい汚れをゴシゴシしていると介護者様からクレームになるケースもある

プロである介護士や看護師は、割り切っている人がほとんどなので、毛があることでどうしても困るということは基本的にはありませんが、時間や労力的に負担になることはあります。

とくにご家族などがお世話する場合、うまくふき取れず不衛生になる可能性がある上、スムーズにケアできないと心理的な負担も増大します。

介護が必要な年代になると、自然に毛が減っていき、ケアの際にまったく気にならなかったという場合もあります。

介護脱毛はあくまでも将来への備えであり、どうしても必要というものではありません。

介護者のためというだけではなく、自分が少しでも気持ちよく毎日を過ごすために介護脱毛をおこなうという選択をしても良いでしょう。

【介護脱毛は】「将来自分が介護されるようになった時に多少なりともストレスが解消され、快適に毎日を過ごすための有効な手段の一つである」ということは間違いがないようです。

もうひとつ知っておいてください。《毛周期》

よく「脱毛、とくに永久的な脱毛はなんでこんなに時間がかかるの？」と思っている方が多くいらっしゃると思います。

「多少の痛さは我慢するから、ちゃっちゃと脱毛して欲しい。長引けば長引くほどお金も時間も融通するのが大変なんだから」とお考えの方。

お気持ちはよくわかりますが、これにはどうしようもないちゃんとした理由があるんです。

それはどなたにもある生理的な現象が係わっています。

それは「毛周期」です。

「もうしゅうき」と読むこの現象は、「コトバンク」からの引用によると

《毛が成長し、抜けかわるまでの周期。毛母細胞が分裂して毛がのびる成長期、毛母細胞にアポトーシスが起こり毛の成長が止まる退行期、毛が抜けて毛包が小さな器官の状態に戻る休止期があり、これが繰り返される現象》のことです。

個人的な差はありますが誰の毛にも一生があり、成長期1(前期)・成長期2(後期)・退行期・休止期というサイクルなんですが、医療用レーザーではこのうち【成長前期〜後期】の毛にしかその効果はありません。

なぜなら、レーザーはメラニン色素に反応して脱毛をおこなうので、毛母細胞が活発な成長期の毛は黒色が濃く、レーザーが毛根までよく届くのですぐ抜ける毛と、これに対して【休止期】【退行期】の毛はメラニン色素が薄く、あまりレーザーに反応しないのでそのまま伸び続けてしまう毛があるというのは、このせいです。

成長期の毛は全体のわずか１０～１５％といわれ、これがそれぞれ周期が進んでいって成長期になった毛をそのタイミングで脱毛していくわけです。

生えている毛がすべて同じ周期で一斉に成長期になればいいのですが、実際はそうではありません。

つまり１回の施術で処理できるのが１０から多くて２０％とすると、５回は同じ場所を時期をずらして施術しなければいけない理由です。

一般的に推奨されている「２か月に１度の通院」と言われるのはそのせいで、計算すると、最短で１０か月、もしくは約１年間掛かってまうという事なんです。

照射出力が少ないサロンなどの光脱毛は、もっと期間が必要ということなんですね。

このサイクルの他に、４０歳以上になるとだんだん白髪が増えてきて、脱毛自体が出来なる可能性があるので、早めに脱毛を計画することが重要だとも言えますね。

VIO脱毛の場合、この毛周期にもうひとつ残念なことがあります。

それは身体の中で生え代わりに時間がかかるのがVIOラインです。成長期だけでも1～2年近く続き、その後1年～1年半くらいの休止期を迎えます。ここは生えている毛が他の部位よりも太くて丈夫です。そのため、完全に生え変わるまでにかなりの時間が必要だという事実です。

VIO脱毛は、「決断はなるべく早く、施術は焦らずゆっくり」と考えておくといいと思います。

脱毛施術の前に、ご希望の脱毛専門クリニックなりサロンで事前によくご相談し、納得しておくことをおススメします。

なんたって長丁場ですから。

脱毛方法の種類と特徴、施術施設

脱毛方法のメリットとデメリット、そしておススメしたい方

脱毛方法別におススメと概算費用

＊脱毛の施術回数及び概算費用は、VIOゾーンを脱毛した場合の比較とさせていただきます。