成熟した女性のある意味高度なヘアファッションとして《グレイヘア》があります。
年齢を重ねることによる必然の「白髪」と年齢を重ねたからこそ表現できる《グレイヘア》について考察してみました。
いま流行の《グレイヘア》を理解していない
そもそもなぜ《グレイヘア》と言うのでしょうか。
- 黒髪と白髪が混ざった状態が灰色(グレイ)に見えるから?
- 美しさが際立っている「白髪」を「銀髪(ぎんぱつ)」などという言葉を用いてその美しさを表現するから?
一部の美容関係の方では《グレイへア》というと直感的に「白髪染め」「白髪ぼかし」や「白髪隠し」のことと思われる方もいるようですが、5年ほど前からクローズアップされている《グレイヘア》とは、表面的な事よりも意識の改革を意図した言葉として使われ始めたようです。
今回の《グレイヘア》流行の経緯には仕掛人がいました。
2017年に白髪染めに悩む女性たちの互助グループ「グレイヘア東京」が立ち上がりをキッカケに、白髪に対するイメージ改善の動きが徐々に浸透し始めた流れを受けてNHKを始め各メディアでグレイヘアの話題が取り上げられるようになりました。
グレイヘアリストの朝倉真弓さんの活躍がひかりました。
翌2018年には主婦と生活社からグレイヘアを紹介する特集雑誌が発行されると、2018年年末にはユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされるほどのブームの火付けとなりました。
その立役者というか仕掛人が主婦の友社の雑誌編集長を経て現在、書籍編集者の依田邦子さんです。
依田さん自身私自身、3週間に一度美容院に行って白髪を染め直し、その度に頭皮の不快感に耐えなければならない「やめたいけど、やめられない」という状況の中で、「白髪を染めない」という潔い決断に興味を抱いたところから始まったそうです。
「白髪ケア」と《グレイヘア》は似て非なるもの
上記の言葉は仕掛人の依田さんのからお借りしたものですが
- 白髪を活かしたヘアスタイルの女性は素敵なのではないか。
- 「白髪=おばあさん」という認識を変えられたら
つまりあえて白髪はファッションの一部ではないかという考えです。
今話題の《グレイヘア》は単なる白髪ケアではなく年相応の女性の生き方として自己を表現するファッションの一部として捉えるということなんですね。
余談ですが、依田さんがなぜ《クレイヘア》という言葉を選択したかというと、そもそも老けを感じさせる「白髪」という言葉は使いたくないと考えていた時に出合ったのが黒と白を混ぜた「グレイ」という言葉が日本人のリアルな髪色を表現しているし理解されやすいと感じたからだそうです。
そしてゆくゆくは「《グレイヘア》=素敵な白髪」をいう概念を広めたいと思ったんだそうです。
《グレイヘア》が似合うのは一部の人だけではありません
《グレイヘア》を扱った雑誌などで紹介される女性は見た目の素敵な女性ばかりクローズアップされることが多いので、《グレイヘア》はよく美人しか似合わないのではないかと思われがちですが、自信をもって年を重ねている素敵な大人すべてが対象です。
年を取ることや老化を防ぐことはできないけど、年を重ねた自分を美しく魅せるなどポジティブに年を重ねる努力は誰にでもできる。
そうした努力を積み重ねた結果として、素敵な大人が完成するわけです。
しかし・・・
こんな人は《グレイヘア》は向いていない
《グレイヘア》を「アンチエイジング対策だと思っている」とか「安上がりだ」と思っている人には向いていません。
そもそも『グレイヘア』とは白髪を染めずに白髪交じりの髪を活かしたヘアスタイルのことです。
その根底には単に白髪染めをやめることではなく、年相応のメイクや服装ファッションを選択するのと同じようにその方の年齢やスタイルを演出する一つのファッションアイテムという意識を持つという事です。
つまり加齢による白髪という身体的な変化を受け入れ、年相応の生き方を演出するという概念のにもとづくファッションなんですね。
白髪を自然の現象として年齢にふさわしい変化を受け入れるということ。いわゆるエイジングビューティーという考え方にちなんだものです。
白髪になることを自然なことと素直に受け止め、《グレイヘア》を純粋に楽しめる人でないと難しい思います。
《グレイヘア》を選択する理由が”楽をしたい”ためと思っている人は、間違いなく《グレイヘア》にしない方が良いです。
結果的に、ただの無精になってしまうか、疲れたおばさんに見えるのがオチだと思います。
定期的なカットや髪のコンディション維持など、髪のメンテナンスはより必要になります。
白髪染めは必要なくなる分、その他のことでより美容にストイックにならないと”《グレイヘア》が素敵な人”にはなれません。
《グレイヘア》に対する周辺の理解の壁
女性が白髪染めをする理由は「他人からの見え方を気にして」がほとんどだと思いますが、本音では8割の女性は白髪染めを「いつかやめたい」、75%以上の女性がグレイヘア(白髪)の美しい人に憧れているというのデータがあります。
しかしそんな気持ちを知ってか知らずか「白髪」に対する周辺の厳しい目があることも現実です。
またファストレンドの2,648人に聞いた「他人の白髪」に関するアンケートでは
・「他人の白髪」が気になることがある:「ある」49%、「ない」51%
・「白髪」の印象:「ポジティブ」20.7% 「ネガティブ」79.3%
・「ポジティブ」な印象とは:渋い51.7%、飾らない49.4%、落ち着いて見える49.1%
・「ネガティブ」な印象とは:老けて見える90.7%、疲れて見える42.1%、清潔感がない23.2%
白髪はある日突然真っ白になるのではなく、加齢とともに徐々に黒髪が白髪に変わっていく自然な現象ですが、髪の一部が白髪だったり、根元を染めないでいると疲れて見えたり、清潔感がないと感じる人がまだまだ多いようです。
引用:「ファストレンドによる調査」 運営元:株式会社NEXER
職場の声
「だらしない」とか「染めるための金銭的・時間的余裕もないのか」と思われているんじゃないかという不安と《グレイヘア》を目指しているという事を告白しにくいし、接客に従事している人の中には、お客様から直接白髪でいることに対するクレームを受けたという事例もあります。
家族の声
家族の理解を得るというハードルもあります。
子供の父兄参観や学校行事の参加、PTAの集まりなどに気後れしたり、実際に子供から染めて欲しいという訴えもあることがあります。
夫婦間でも性欲を削いでしまうという事例もあるようです。
女性の視線
女性が最も恐れるのがやっぱり同性の目線ではないでしょうか。
人それぞれに好みがあってそれぞれにスタイルがあるのは分かっているけど
- この一年で白髪が増えたなーと思っても、やっぱり失礼だと思うから突っ込めない
- 仕事ができてスタイルもいいのに、白髪が多いせいでなんか残念
- 目線がどうしても頭の方に向いてしまう
などと思っている自分がいることに気付く人もいるはずですね。
男性の目線
男女とも40代になると、ボディラインの崩れや顔のたるみなど、加齢による変化はなんともしがたい事ですが、男性が女性に対して目にしているのはやっぱり「白髪」なんですね
- 顔より先に髪の白髪に目が行くと、つい年齢を想像してしまう。
- 自分より背が低い女性と話していると、どうしても頭が視界に入り見ては悪いと思いながら避けられない。
- 化粧がバッチリでも、白髪で一気に老けた印象になる
- やっぱりいつも若々しくいて欲しいから彼女にはいつもケアしてとお願いする
- ベッドに入ったときに照明の明かりで彼女の白髪が光っていて、ちょっと気になった
- 白髪を放っておける女性はちょっとズボラなのかなと思う
グレイヘアに関する雑誌やメディア報道などから、グレイヘアが素敵な人は、もともと美人で色白で、肌と髪にツヤがあるし、幸せオーラ漂う表情のイメージが強く、服も上質で似合うものを着ている・・・と思っている人がいらしゃいます。
確かに目につく方々に多少共通するところはありますが、そういう方々だから《グレイヘア》が似合うのかというと一概には言い切れないと思います。
《グレイヘア》にしようと決めて、心の束縛と頭皮などのストレスから解放され自分スタイルが見つけられたからそのように見えるのではないでしょうか。
《グレイヘア》を選択するということは、将来の生き方のスタイルを見つけ出すための大人の選択と考えてはいかがですか
満足する《グレイヘア》までの移行期間
まずは相談できる美容院を探す
《グレイヘア》がもてはやされる中で意外なのは協力的な美容院が少ないようです。
美容院の経営的なことを考えると白髪染めの利益が大きいので二の足を踏んだり、《グレイヘア》自体を否定するお店まであるようです。
《グレイヘア》はその移行期からアフターメンテナンスにいたるまで理解ある美容院さんとの二人三脚がなくては成り立ちません。
《グレイヘア》を選択したのであれば美容院の選択が必要不可欠なんですね。
プロがススメル《グレイヘア》への移行方法3選
①ブリーチ+カラー・マニキュア・ヘナ
最速で《グレイヘア》にしたい人におすすめなのがブリーチをした髪にカラーやマニキュア、ヘナを重ねるやり方です。
ポイントはブリーチの後、また根元が伸びてきたときは白髪染めやおしゃれ染めで黒髪を明るくしないこと。
地毛の黒髪は残していって、白髪とブリーチした毛先のみ「色」を入れていく方法です。
②ハイライト
メリットは白髪の量がそこまで多くない人でも挑戦しやすいことです。顔周りだけや、分け目だけ白髪が多いという人に特に相性のいいカラーリングです。
ハイライトはおよそ3カ月から半年に一度のカラーリングでOK。だんだんカラーの周期を伸ばしていってグレイヘアにしていきます。
③白髪染めをだんだん明るくしていく
少し時間はかかりますが様子を見ながら《グレイヘア》に挑戦したい人向きなのが、だんだん明るくしていくカラー方法です。
2〜3カ月に一度の白髪染めを繰り返しながら、少しずつ明るくなるように薬剤を調節していきます。
引用サイトです。ぜひご覧ください。
ウィッグという選択
急な御呼ばれや冠婚葬祭、家族との外食など、「どうしよう?」となるケースにはウィッグが大きな味方になってくれます。
自分の髪の色に合わせて選べ、気軽につけられる部分ウィッグ、一瞬でスタイルが決まり、《グレイヘア》完成後にも簡単にイメージチェンジが楽しめる「フルウィッグ」などを利用してもいいですね。
大切なのは《グレイヘア》完成後の手入れ
白髪はパサつきが目立ちやすくボサボサになりやすいのが難点です。
だから日頃からヘアオイルで潤いを与えたり、美容院でトリートメントのケアが必要になるんです。
むしろ黒髪より手間がかかると言えますね。
《グレイヘア》は白髪染め以上に気を使わなくてはかえって汚らしく老けて見えてしまいます。
小まめにカットしてきちんとメイクして髪にツヤが出るように手入れをしっかりしてボリュームもきっちりキープしなければならないですし、黄ばんできたらそれなりのカラーシャンプーを使って処理しなければいけないですね。
定期的にカットなどをすることを美容院関係者は推奨しています。
なんでも相談できる信頼関係を大事にしましょう。
また白髪と言っても当然体の一部ですから食生活や生活習慣の乱れはよくありません。
- しっかりとした質のいい睡眠
- タンパク質や野菜をバランスよく摂取する
- ストレスをため込まない
つまり中高年によく言われるバランスにいい食事と規則正しい生活習慣、適度な運動が有益だという事です。
《グレイヘア》に合わせた「わくわくするファッション」とは
《グレイヘア》は髪色が明るくなるので、似合う色の幅が広がるうれしい恩恵があるのです。
いままでどちらかといったら躊躇しがちだったビビットな色がより似合うようになりますよ。
《グレイヘア》になったら、白いキャンバスに色を楽しむという感覚で全体を「白」で統一して「抜け感」を演出したり、白やシルバーの小物をあしらったり、際立つ赤やベージュを取り入れたメイクも楽しめますね。
50代60代の方は戦後日本が一番元気で活気のあった時代に青春を謳歌した世代です。
30年ほど昔のファッションの主役が大人ファッションの主役になるために今一度冒険するならもっとワクワクしませんか。
《グレイヘア》のためのファッションを参考にするならやっぱりこの本がいいようです。↓↓↓
まとめ
「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されている健康寿命は女性で平均75.38才、男性は72.68才です。
子育てが終わって、職場の定年を65才から70才として、女性の平均健康寿命とされる期間内まで10年足らずです。
女性として、妻として、母として走り抜けてきた人生の見返りとして10年を自分のために生きてみるという選択もおおいにあることだと思います。
単に“白髪染めを卒業する”ではなくて、“年齢に抗わない生き方”を選ぶムーブメントとして、若さに価値を置く風潮に疑問を抱いていた女性たちに支持されているのです。
でも、現実にはいいと思っても、なかなか踏み切れませんよね。それもそのはず、白髪は1000年以上も前から、女性にとって不変の悩みなのですから。
いま巷で流行っている《グレイヘア》という考え方が、白髪を認めて年齢に合わたヘアファッションとして楽しむ唯一の方法ではないと思います。
人それぞれに白髪になる形も違うし生活スタイルやファッションに対するこだわりも違いそれは成熟した大人の生き方だと思います。
いまは無理でもいづれ《グレイヘア》になることを目指してSlowly turn gray(ゆっくり白髪を育てていく)という考え方もいいのではないでしょうか。
人それぞれに白髪になる形も違うし生活スタイルやファッションに対するこだわりも違いそれは成熟した大人の生き方だと思います。
60才からの《グレイヘア》の転身を選択肢の一つとしてご提案します。
コメント