社会も職場でもどんどんファッションのカジュアル化が進んでいることを実感されている40代の男性は多いと思います。
入社以来何十年もスーツとネクタイと革靴という、いわば企業の戦闘服で頑張ってきた経営者や重要ポストの40代にとっていまさら「カジュアル」と言われても戸惑うのも当然です。
そんな【ビジネスカジュアル】初心者の40代男性に、その必要性のポイントを解りやすくご紹介させていただきます。
職場に「カジュアル」は似つかわしくないという考えを変える
入社以来、職場ではスーツが当たり前として活躍してこられた40代の方にとって職場でカジュアルなスタイルは許せないもしくは違和感があるという方は多くいらっしゃるでしょう。
スーツはいわばビジネスマンの制服的な感覚で、職場ではこのスタイルが当たり前ということなのでしょうか。
事実、オフィスカジュアル化を歓迎しない理由として
- 社会人としていつもきちんとした服装をすべきだと思うから
- スーツなど決まった服装の方が楽だから
- いつ服装に厳しい取引先に見られているとも限らないので
- どのような服装をすればよいかわからないから
- 部下や女性社員からダサいと思われたくないから
などが挙げられています。
だからいまさら職場でカジュアルと言われても、戸惑いと不安があってなかなか認めきれないというのが本心かもしれませんね。
しかしこれからカジュアル化を進めたいという職場だったら、この【ビジネスカジュアル】はむしろ40代の方に積極的に取り入れていただきたいファッションなのです。
理由は3つあります。
その1:オフィス全体に及ぼす影響が大きい
40代ともなると経営者や上司、経験豊富な先輩という立場の方が多いと思います。
職場にカジュアルを取り入れるかどうかは、企業の業種や方針に大きく左右されるでしょうが、カジュアル化が許される環境においては服装ひとつで、仕事への意識や姿勢が変わるほど大きな影響があるといえます。
そしてそのカジュアルの度合いをスタッフ全員、経営者や上司や先輩である貴方を見て判断することが思った以上に大きいからです。
職場のコミュニケーションの活性化、雰囲気を変え効率化をはかるためのカジュアル化を会社の方針として決定したら、経営者や上司、先輩である40代の率先垂範が必要です。
その2:職場の「カジュアル化」は今後も着実に浸透する可能性が高い
アエラスタイルマガジンの「調べ」アンケートによると、「10年前に比べてビジネススタイルがカジュアルになってきていると感じますか?」と質問に対して、68%が「とても感じる」、「少し感じる」が21%と、9割近くのビジネスパーソンがカジュアル化を実感しているという回答が得られています。
その傾向は当然20代、30代に多く、将来会社の中心世代になることで必然的に「カジュアル化」が定着していくことは間違いないでしょう。
それを後押しするきっかけはやはり「コロナ禍による働き方の大きな変化」ですね。
そしてそれは間違いなくこれからのスタンダードになることが非常に高いという事です。
その3:今後の生き方に前向きになるキッカケの一つだから
職場やビジネスシーンだけでなく今後の貴方自身の生き方を決めるキッカケの一つになるからです。
40代のご主人、お父様をみるご家族のお悩みのなかには、「家族で出かけるときに常日頃スーツ姿なのでカジュアルな服装がほとんどないのでなんとかしたい」という相談が多く見受けられます。
また、ご本人の悩みで「ディズニーランドに家族で行く予定なのですが、着ていくファッションが思いつきません。 スーツでも浮かないでしょうか?」という真面目な相談もありました。
職場をリタイアした後も長く続く人生の中ではカジュアルな服装をする機会は各段に増えますし、それが自分にとって前向きな姿勢にかわって楽しむ機会も増えていくものだと思います。
職場に居る間にカジュアルの感性を身につけ、他人の反応を実感することはこれからの生き方を楽しむ大きなキッカケの一つになるでしょう。
では40代が目指す職場の【カジュアル】とはどんなものなんでしょう。
40代に相応しい【カジュアルスタイル】とは
職場のカジュアルスタイルには大まかに言って2種類あります。
ひとつは「オフィスカジュアル」で、もう一つは【ビジネスカジュアル】です。
「オフィスカジュアル(オフィカジ)」は文字通り社外との接触が少ない業種やセクションなどのオフィス内で着用することを前提とした比較的ラフなファッションのことです。
一方【ビジネスカジュアル(ビジカジ)】はカジュアル要素を加味しつつ社外の人とのビジネスシーンを前提としたファッションなので、オフィスカジュアルよりややフォーマル感があるファッションです。
40代の方には、オフィスカジュアルよりフォーマル性のある【ビジネスカジュアル】がいいでしょう。
ジャケパンスタイルがおススメです。
「ジャケパン」とは 「テーラードジャケット+パンツ」を略した通称 です。
具体的には、ジャケットとパンツ(スラックス)別々のアイテム同士をコーディネート、組み合わせて着用する装いのことを指します。
ほとんどスーツ姿で過ごして来た方でも、プライベートで上下色違いを着用したことがある人は多いと思います。
スーツをジャケットに変え別柄のスラックスに履き替えるだけでも【ビジネスカジュアル】っぽいと思えばハードルがぐっと低くなった気がしませんか?
まずは「ジャケパン」を試してみてください。周囲の目もさりげなく受け入れてくれると思いますよ。
「キレイさ」もあり「清潔感」もある大人の雰囲気を活かしたスタイルです。
自分を主張するのではなく「他人視線」を意識する
「カジュアル」という言葉に引っ張られて、自分が若いころの感覚を取り入れたり、若い人のスタイルを真似することはやめましょう。
40代の目指す「オフィスでのカジュアル」のポイントは周囲が見て感じる納得感を得ること、つまり年齢に相応したファッションやアイテムを選ぶことです。
前述したとおり、貴方のカジュアルは社内や外部に与える影響が大きいので、言うなれば「他者視点」で選ぶということが重要です。
そのポイントとは・・・
大人のエレガントさを失わないことです。
40代がオフィスカジュアルで「大人の余裕」を演出するポイントとして、ハイブランドや高品質な服を”さりげなく”コーデに取り入れるというのも一つの方法です。
40代は取引先や顧客など外部の人に接する機会が多いので、社内ではカジュアルでありながら対外的なビジネスシーンでは決して相手に不快感を与えないエレガントさが必要です。
服装そのものだけでなくアクセサリーや靴などを含めたトータルで年相応のコーディネートを意識してください。
派手なアクセサリーを付けない
40代の【ビジネスカジュアル】は出来る限りシンプルが基本です。
身につけるアクセサリーは「時計」や「記念指輪」くらいに抑えましょう。
腕時計はビジネスの場面ではやはりアナログの腕時計がベター、ハデな時計はビジネスシーンでは悪目立ちしてしまうのでNGです。
同様に派手なデザインの指輪はプライベートで楽しむとしてビジネスシーンではつけない方が印象がいいです。
足元(靴)に細心の注意をはらう
「足元を見ればその人がわかる」というのは営業では当たり前のセオリーですね。
その人の靴の状態が人となりを表しているというのはあながち間違いではありません。
汚れや踵がすり減ったままとか、くたびれ切った靴をそのまま履き続けているのは論外ですが、上下をせっかくカジュアルに決めたのに、足もとはフォーマル性の高いの「ストレートチップ」だとちょっと堅苦しい感じがするので、よりカジュアル性のある靴を試してみることをおススメします。
選び方ややビジネスカジュアルにあう靴の種類や選び方は下のサイトをご参照ください。
ビジネスカジュアルは靴が命!ダサくならない選び方とコーデ術!
【50代男性に喜ばれるおしゃれなブランド靴 人気プレゼントランキングTOP10】
全体的にどうしたら40代らしい【ビジネスカジュアル】になるのか、そのポイントをまとめてみました。
40代男性の目指すべき【ビジネスカジュアル】のポイントは5つ。
1.清潔感
40代に限らず、すべての年代性別に求められるのは清潔感です。
「清潔感」とは汚れやよれよれな洋服や、加齢にともなう加齢臭や、タバコの臭いなどに気を付けることはもとより、パッと見の印象によるものも大きく影響しています。
全体的な雰囲気は、「きれい目カジュアル」を心掛けることで改善します。
参考:50代男性ファッションの決め手は「きれいめカジュアル」
2.サイズ感
きれい目のビジカジファッションの第一歩は「ジャストサイズ」です。
何を着ればいいのかわからないから、ただただ無難で楽なサイズのスーツを選んでしまうという人って、そもそも自分の服のサイズも知らないのではないでしょうか。
自分のサイズがわかっているから、服を買うのも効率的だし、何を着ればいいのか、何を着れば似合うのかが分かるようになるのです。
まず自分の身体のサイズをしっかり把握することが肝心です。
ちょっと窮屈感のあるスリム系と体に負担の少ない開放感のあるダボっと系の中間、かがむ時にちょっときになる程度の「ジャストサイズ」にするだけで「ビジカジ感」が演出できるんです。
例えば日頃着ているスラックスを「ジャストサイズ」にするだけでも、他人から「少しシュッとして感じが良くなった」とみられると思います。
テーラードジャケットのサイズ
「ちょっとゆったり目」、「ちょっと詰めた感じ」など感覚でジャケットを選ばないようにしてください。
肩幅はジャケットがスーツ違って肩パッドがあまり入っていないことが多いので、肩の縫い目が肩線にピッタリあうように、肩線から落ち込んでいないか、あるいは首の方へ入り込んでいないかを目安に選びます。
胸周りについて、昔はボタンを締めてこぶし1個入るくらいと言われてきましたが、手のひらがスッと入るくらいのフィット感がいいです。
胸ボタンを締める場合は1つだけ(3つボタンなら第2ボタン、2つボタンなら第一ボタン)です。
着丈はお尻全体が隠れるよりもお尻の三分の一くらい見える方がカジュアルっぽいです。あまり短すぎると子供っぽくみえるので気を付けてください。
袖丈はジャケットを試着して両手の指を下にピンと伸ばした状態で親指の先から袖口まで10~12cmくらいがベストと言われています。
試着して両掌を直角に広げて手の甲に袖があたるか当たらないかくらいという目安も有効です。
その他ジャケットの適切サイズを知る方法として、変なシワ(ツキジワ、タスキジワ、ダキジワなど)が入いらないかどうかが目安になります。
パンツ(スラックス)裾丈は少し短めがオシャレでカジュアルっぽい
「カジュアル」を意識した場合、最近の傾向である細めのスラックス、いわゆるテーパードタイプは裾丈を短めにすることをオススメします。
裾が靴甲に触れない程度にして足元をスッキリと見せるのがいいですね。
ぜひこちらのサイトをご参照ください。→GINZA Global Style
3.配色
上の画像は【ジャケパンスタイル】の鉄板中の鉄板、「ネイビー」と「グレー」の組み合わせです。
40代のコーディネートは、モノトーン(白・黒・グレー)やネイビー・ベージュ等のベーシックなカラーをベースがいいでしょう。
これらの色(ベースカラー)ならまずハズレはないし、大人っぽく落ち着いた雰囲気を自然に演出してくれます。
ある程度ベースカラーで馴染んできたら、ちょっと鮮やかなカラーを差し色として取り入れてみるのもおしゃれですが、いきなりは控えたほうが賢明です。
色と組み合わせによるジャケパンコーデについてはこちらのサイトをおススメします。→ザ・スタイルディクショナリー 「ビジネスに最適なジャケパンコーデ例」
4.着こなしと素材
40代のカジュアルならスタイルもさることながらその素材にこだわるのも大切なポイントです。
せっかくビジカジを取り入れるなら、クラシックにハズせないウール以外の素材に注目してみるのもありですね。
コットンやリネンはもちろん、ナイロンをミックスした機能素材も最近多く取り扱いされています。
思い切ってカジュアルダウンするなら、ニット生地のテーラードジャケットも狙い目ですね。
着こなしのイメージはこのサイトを参照ください。
【脱ビジカジ迷子】マネするだけでかっこいい。雰囲気別のチノパンコーデと簡単なポイントをご紹介
5.ちょっとした勇気
ネットなどで40代50代の「カジュアルファッション」を見て、いきなり買いそろえたりしようとせず、まずは少しづつカジュアルっぽくコーディネートしていくことをおススメします。
会社でみんなの反応を見るためにまずはスーツからジャケットに変えてみるとか、今はいているスラックスのサイズをフィットサイズに変えてみるなどから始めたらいかがですか。
その段階でも貴方にとってはちょっと冒険かもしれません。
何事も始めないと話にならないので、ここはちょっとした勇気を出してまずは実践してみましょう。
40歳男性【ビジネスカジュアル】おススメのブランド
UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)
ユナイテッドアローズは、大人に向けたドレス軸のライフスタイルを提案するセレクトショップです。
大人向けで若干高級志向で多くの人に好印象を与えるスタイルが多いです。
TOMORROWLAND(トゥモローランド)
TOMORROWLAND(トゥモローランド)は、大人向けの高価格帯セレクトショップです。
特にエレガントでキレイ目なアイテムがラインナップの中心となっており中心的な価格帯は2〜3万円ですがジャケットやコートなどのアウターは5万円〜といった価格設定でお洒落にこだわる本物志向の大人に人気です。
ユニクロで決める【ビジネスカジュアル】
最近ビジネスカジュアルで注目を集めているユニクロのビジカジスタイル。品質は申し分ないうえリーズナブルな価格はいまや周知の事実ですね。
ただ最近着ている人が増えているので他人とかぶってしまうことがちょっと難点かもしれません。
まとめ
40代男性の【ビジネスカジュアル】についていろいろ提案させていただきましたが、なかなか踏み切れないという気持ちも分かります。
「40過ぎでいまさら」という気持ちや、そもそも「どうしたらいいかわからない」とか「職場の上司や部下や取引先にどんな目で見られるか不安だ」と言う気持ちが交錯している人もいると思います。
しかし職場のカジュアル化は世の趨勢ですしその傾向はこれからますます加速していくでしょう。
40代になって退職まで25年から30年の間、「俺は今までのスタイルを突き通す」という強い意志のある方もいるでしょうが決して賢明な選択ではないと思います。
退職後カジュアルで過す何十年間、カジュアルを楽しむという気持ちは貴方にとって前向きで充実した人生を創造します。
貴方はこの前向きで充実した人生を放棄しますか?