コロナが変えた「ミドル・シニアの令和の婚活事情」
コロナウィルスの猛威は、日常の生活スタイルをガラリと変えてしまったことは皆さんご承知の通りです。
仕事のあり方、不要不急の外出自粛、越境の制限など日常の行動範囲が極端に狭まった2年間、人との接し方にも大きな変化があったことはいまさら言うまでもないことですね。
もちろんミドル・シニアの皆さんも極力外出を避け、人と接することがある意味脅威と思えてしまう時期でもあったと思います。
コロナ禍の婚活について
- 未婚のミドル・シニア世代コロナ禍で「直接会う機会が減った」55.0%
- コロナ禍以降ミドル・シニア世代のおよそ3人に一人が孤独を感じている
- 恋愛しているミドル・シニア世代は20.1%で2018年より3.0ポイント減
- 恋愛に興味がない人は6.4ポイント増の23.9%
- 恋愛や結婚を望むミドル・シニア世代は減少傾向
- 特に結婚願望を持たない人は2018年より13.0ポイント増
- コロナ収束後に「恋活・婚活したい」10.7%
コロナの影響で婚活も一時極端に停滞した時期でもありましたが、恋愛したい、結婚したいという願望は根強いものがあります。
コロナ収束後にどんな恋愛・婚活がしたいかについて
- 「友人・知人から紹介してもらいたい」31.7%
- 「趣味のサークルや習い事で出会いを探す」21.7%
- 「マッチングアプリで出会いを探す」19.6%
- 「婚活サイトで出会いを探す」14.8%
- 「SNSで出会いを探す」14.8%
ミドル・シニア世代でもスマホやインターネットでの恋活・婚活を注目している(49.2%)ことが分かりました。
シニア世代の4人に1人が「結婚をしたい」と考えている
・「自分もしてみたい」12.8%
・「どちらかと言えば自分もしてみたい」12.3%
あわせて「してみたい」と考えている人は25.1%、つまり4人に1人が熟年大人婚をしてみたいと答えています。
しかし反面、積極的に行動していないというのがシニア世代の特徴でもあります。
・良い相手に出会えるかは自然にまかせたい 50.3%
・友人や知人に紹介してもらえるように頼みたい 15.5%
と65%以上の数値ですが、逆に
・出会いの場には積極的に出かけていきたい 14.5%
・相談所などの婚活サービスを使って相手を探したい 11.8%
など25%以上の人が積極的な出会いを求めているようです。
40代・50代の婚活動機
男性と女性の恋愛・婚活・結婚観の違い
どうやらシニア世代の恋活・婚活は女性より男性の方が肯定的のようです。
[恋愛について]
・賛成できる+どちらかと言えば賛成できる 男性69.0%、女性64.2%
[婚活について]
・賛成できる+どちらかと言えば賛成できる 男性54.7%、女性49.3%
[結婚について]
・賛成できる+どちらかと言えば賛成できる 男性58.3%、女性49.1%
[相手を求める理由]
男性と女性の相手を求める理由の上位は「安心・信頼できるパートナーが欲しい」「人生をより充実させたいから」となっています。男性と女性の決定的な違いの特徴として、男性には「子供が欲しいから」という回答が見られました。
女性はというと、「子供が欲しいから」という人はほとんど見られず、「経済的に不安だから」との回答が上位にあり、老後の経済的不安を浮き彫りにしています。
ミドル・シニア自身、恋愛や結婚を肯定的に受け止めている人は増えているようです。この先の人生を共に歩む相手を探すためには現代の婚活モデルを受け止めて利用することは有効な手段の一つになっているようです。
60代の婚活動機
60代からの婚活は「孤独死」や、「看病してくれる相手がいない不安」「お互いの健康を気遣う相手がほしくなる」など切実な動機が見られます。
2017年の総務省統計局の人口推計によると60~69歳が1,832万人と他の世代より多い年代であることもシニア婚活が活発になった要因の一つであるようです。
具体的には
- 離婚や死別でシングルになり残りの人生を再スタートするためのパートナーを求めている
- 寿命が延びてまだまだ健康なので今のうちに一緒に楽しめるパートナーを探している
- 親の介護も一段落して、自分の人生を考えた時一緒に過ごしてくれるパートナーが欲しい
- 年をとることによって深まる孤独感から解放されたい
- それまで仕事などで忙しく退職を機に結婚を真剣に考えたい
- 子供たちの世話にはなりたくないのでパートナーを探したい
確かに60代以上の方の将来ビジョンは時間的にも限られ、問題もかなり切実です。それだけに真剣な人が多いようですね。
今までのミドル・シニア世代の婚活といったら、世話好きの親戚やご近所の紹介などの世間体を気にしてほんとに限られた範囲の縁結び的な方法だったのが、インターネットの発展によって、婚活に対する抵抗感が薄らいできたということも大きな要因のようですね。
シニア世代は人生経験を積んでいるからこそ、ある程度酸いも甘いも理解されている方が多く、それ故に相手に寛容になれることが大きなメリットとなるでしょう。
大人の寛容さでお互いを理解できることがパートナー探しの大きなポイントとなります。
未婚シニアのうち婚活活動について最も多いのが「特に何もしていない」7割以上ですが、反面
- 友人から紹介をしてもらっている
- SNSで出会いを求めている
- 婚活サイトで婚活している
- 結婚相談所を使って婚活している
など少数ですが本気で婚活相手を探している人もいるようです。
そして恋活・婚活をしているシニア世代では「本気で恋愛したことがある」が約5割という婚活に対して高い意識を持ち続けている人がいるのも事実です。
しかし現実問題として
- 自分の健康面の不安
- 住み慣れた土地や家を離れることが不安
- 相手の健康面の不安
- 相手の家族からの反対
- 自分の遺産相続に関する問題
- 自分の家族からの反対
- どちらのお墓に入るか
など、若いうちには考えられないシニア世代ならではの背負う問題がそれぞれ深刻なこととして考えなくてはならないという背景があるのも事実のようですね。
ミドル・シニア世代の婚活市場
ミドル・シニアの婚活は選り好みされるという現実を受け入れること
唐突に厳しいことを言うようですが、ミドル・シニアの婚活は現実問題としてかなり厳しいものです。
生活圏での恋愛結婚と婚活での結婚はそもそも性質が違うという現実
巷でいう婚活サービスはまずプロフィールで候補者を選別しあい、1時間程度のお見合いで仮交際をするか否かを決定するシステムが多いです。つまり相手の人柄が解らないうちに「結婚」を意識することに気持ちが追い付いていないで戸惑う人が多いようです。
あえて結婚しなくてもいい世代だから自分が明確な目標を掲げて適切な行動をしなければ結婚は成就しにくい。
すごく乱暴な言い方ですが、一般的に言われる年齢的な婚期とは違い、すでに家族や会社関係、友達関係からの紹介を受ける時期を逸し、「相性」がいい人は着実に減少している世代だから生活圏内で出会い機会は極端に少なくなっています。
生理的に会わない人は出会って5秒でわかる。あとは減点方式で判断せざるをえない。
出会った時を100点とすると、何度か交際を重ねていくうちに、どうしても自分に合わないところが見えてきます。先にも記述した通り、結婚したいという強い意志は、「このことは最低譲れない」という基準によって相手の印象を減点していくしかないのではないでしょうか。
そのためには見合いも仮交際も複数の人と会って比較していくという流れは、当然必要なことなんですね。
例えば、結婚相談所に登録しただけで「婚活」をしたと思っている人がいるようですが、このような方はまず結婚までたどり着けません。仕事が忙しいとか、生活もいろいろあって大変だとか、何となく気分が乗らないなんて言い訳をしないで、何とか時間をやりくりして自ら行動しなくてはなりません。
「社会的地位や年収が高ければ理想の相手と結婚できるはず」は幻想です。
例えとして、超有名進学校を経て、国立大学を卒業し、大手企業に就職している中年男性の話で「相手(女性)が自分のことを好きになってくれたらやる気スイッチを入れる」ということを真剣に考えている人がいました。
もともと女性との恋愛経験が少ない人でしたが、ハイスペックな自分には必ず理想の女性と結婚できると信じ込んでしまっていたのです。
たしかにプロフィール上は超優良物件で、女性からアプローチされる件数も多いでしょうが、なかなか結婚まで結びつくのは難しいようですね。
「婚活あるある」で、実際そういう男性は存在しています。社会的な地位が高く、仕事人間で女性関係に疎いミドル世代に見受けられます。
50代で結婚できる確率は10%未満
ちょっとショックなデータですが、国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2019年)」によると、2015年の「50歳時の未婚率は男性が23.37%、女性は14.06%」となっております。
婚活をした、しないに関係なく全体的な統計上の数値ですが国勢調査のデータから推察されるデータでは、50代独身男性が5年以内に結婚する可能性は10%、独身女性の場合は7~10%となっています。
50代に多い、思い込みの結婚観
多少なりとも男性全般によくみられる考え方に「男は年齢に関係なく結婚することが出来る」と思い込んでしまっている点。その結果、相手に多くのことを希望してしまうことがあります。
その一つに年齢。ミドル・シニア世代は年齢的にかなり若い女性を希望する方が多く、それは「子供が欲しい」と思っている人のようです。
実際、婚活をしている女性の多くはせいぜい3~4歳年上の男性を望んでいる人が多く、このギャップをミドル・シニア世代の男性はよく理解することが大切です。
まして女性は「結婚して出産すること」は一大事なナーバスな問題で、「子供が欲しいから」ということをあまり前面に言われると極端な話、一女性個人というより「子供を産む道具」と見られていると思ってしまう女性も多くいます。
現役社会人の50代男性の場合、30代40代の女性の部下がいる人も多いと思いますが、その延長で見下しているつもりはなくても、ついついなれなれしい態度をとってしまっているケースも見られます。
相手を敬って接する態度と意識は普段から備えておくことが重要ですね。
ミドル・シニアにおススメしたい婚活サービス
婚活サービスを大まかに分類すると「婚活マッチングアプリ」「婚活パーティー」「結婚相談所」でしょうか。
それぞれのサービスにはそれぞれの特徴、メリット、デメリットがありますが、ズバリ30代後半から40代、50代以上は、「結婚相談所」がおススメです。
あくまでも一般論ですが、この年代になると、自分自身で恋愛の仕方のまずいところを客観的に指摘されることが少なくなり、ひいては相手にフラれたりした後に気が付いても修正しづらくなってしまいがちです。
会社の同僚、友達やまして家族には相談しにくい事柄なので、客観的な第三者でありながら婚活をとおして結婚成就という共通の目標を目指す「結婚相談所」の仲人が、言いにくいことも成就のためにしっかり伝えてくれる力強い味方になります。
30代後半の女性には、結婚への意欲が下降傾向になる人が多く見受けられ、逆に男性はこの世代から結婚への意欲が高まるという価値観のずれ傾向が多々見られるのです。
40代の場合は、生活環境が複雑になるケースが多いです。仕事や子育て、介護や離婚問題など一人ひとり置かれた状況も違いますし、それぞれが深刻なケースが多いです。
求める対象が、40歳代の男性の場合「お子さんが欲しい」と希望して、30代前半を求められたり、逆に30代前半の女性は、同年代もしくは2~3歳上くらいの相手を希望するケースが多いです。
このミスマッチを調整するのも、その方面に精通したプロの存在は欠かせなくなりますね。
結婚相談所は女性会員が多い
女性が多く選ぶ婚活サービスは「結婚相談所」のようです。
結婚相談所パートナーエージェントが公開しているデータによると、結婚相談所会員全体のうち女性は55%、男性は45%となっています。
独身証明書、年収証明書、学歴証明書などを登録されることを考えると、安心して婚活に専念できるというメリットは大きいようです。
マッチィングアプリや婚活パーティーで婚活が上手くいかず、年齢的にも最後の砦のような感覚で結婚相談所に加入する方も多いようです。
最近では、都道府県が運営する結婚相談所も増えてきて、民間より格安という理由もあって男性の会員が増えているようです。
婚活サービスの選択に迷ったらリスク回避性がたかい結婚相談所を選択しがち
あなたが1年、遅くとも2年以内には結婚したいか、結婚する目途をつけておきたいなら結婚相談所の婚活がおススメです。
目安として以下の点に思い当たる人に特におススメです。
- ご自身が結婚したいという願望が強い
- 結婚したいのかどうかわからない相手とは交際したくない
- 相手も結婚したい気持ちが高い人と出会いたい
- 信用できる相手のプロフィールがあらかじめわかっている
- 一対一でゆっくり話し合いがしたい
- 客観的な第三者の意見が聞きたいし、相談もしたい
ミドル・シニア婚活のおすすめポイントとタブー
50代の婚活を成功させるポイントを提案します。
- これからの人生を一緒に楽しむ:成功事例から婚活の動機として「これからの人生を一緒に楽しもう」という意識を持って臨んだ人が成婚しやすいようです。
- 老後の世話にために婚活していることを前面に出さない:あなたがもし婚活をした相手が、初対面で老後の世話を第一の婚活目的だと言われたら、やっぱり引きますよねえ。結果的にそうなったとしても初見では避けたほうがいいと思います。
- 希望条件にはあまりこだわらない:何度も言いますが50歳男性の多くは30代後半の女性を希望する人が多くいますが、30代の女性は同年代が2,3歳上くらいを希望する人が多いようです。また年代的に結婚歴や子供の有無も気になりますが、特別な障害がない以上はあまりこだわりすぎると選択肢を狭めてしまいます。
- 「絶対に譲れない条件」は出来れば一つに絞る:自分なりに相手に求める条件を1つに絞り込んで、あとは柔軟な気持ちでお付き合いしてみることも大切です。
- 相手の見た目にとらわれない:年令や見た目の好みは人それぞれ違いますが、人(主に男性)の本性として年齢が若い人、見た目がいい人を求めがちです。
婚活の一番大切なことは「自分と見合った年齢と同じような価値観を持った二人が一生楽しく暮らしていく」とい大前提を忘れないことです。 - 「バツ〇〇」のトラウマにとらわれない:ミドル・シニア世代の婚活では離婚を経験された方も当然います。最近では3組に1組が離婚するというデータがあるくらいですから。
離婚された直後は当然冷静じゃない点もあり、別れた相手の欠点ばかりに目がいってたという人も、いざ分かれて冷却期間が過ぎると、いろいろなことが見えてきて自分の悪かった点を見直す方もいます。
こんな方は逆に新たな婚活で幸せな結果を掴む可能性が高いようです。当然相手に対する思いやりだったり、自分の欠点を客観的に見直せる経験を積んで、「新たな相手とまたうまくいかなかったらそうしよう」と考える前に相手の立場になって考えるというスペックを手に入れたのですから。 - 焦らないこと:お互いに一つの目標に向かっているのですからその目標を達成するために多少じっくり相手と付き合って見定めてみることが大事だと思います。まずは焦らないことです。
- 家族の同意は確認しておくこと:ミドル世代となると、天涯孤独でない以上、ご家族、お身内はいますよね。婚活をしていて結婚する意志があることを事前に家族や身内の同意をとっておくことが大事です。
せっかく決心されて婚活されているのですから、皆さんに祝福されるように事前に手を打っておきましょう。 - 婚活は貴方の「婚活市場の価値」を判断されるということを理解しておく:自分は相手の異性から結婚相手としてどのくらい婚活市場の価値があるのかシビアに判断される場であることを理解しておくことも大切です。
だからと言って気後れしたり悲観する必要はありません。自分を客観的にみるいい機会だとその程度に認識してください。
婚活時に絶対避けたいタブー
初対面同士の会話の内容はたかが知れています。
肝心なことは、相手から「また会いたい」と思われることに力を注ぐことも大事ですが、それよりも相手に対して「何をしてはいけないことなのか」に注意することが重要なことのようです。
相手に聞かれたら言葉に詰まるようなことや、相手からされたらいやなことは避けることが基本です。
- 家族の話をやたらと話題にする:家族が大好きということを公言しすぎると、とくに男性なら母親の話をやたら語りだしたらマザコンにとられたり、結婚後も何かと家族が介入してくるんじゃないかと思われます。逆に家族を悪く言うのもよくありません。
- 景気の悪い話、身上的にマイナーな話をあえて繰り返して話す。:婚活はお互いに明るい未来を期待しています。やっぱり夢を壊すような話題はあえてしない方がいいでしょう。
- 逆に実現がむずかしそうな将来の夢や理想の結婚観を語る:お互いにミドル・シニア世代であれば20代のように「結婚は夢いっぱい」という感覚でなく、初婚のミドル・シニアの男女だとしても人生の荒波は多少なりとも経験していると思います。「結婚生活=夢だけ」という公式は成り立ちません。
- 自分は忙しいアピール:仕事が順調だということを伝えたいとしても、忙しい忙しいと言われると、自分のことが気に入らないからその言い訳でいってるのかとか、いざ交際しても忙しさにかまけて真剣に結婚を考えてくれないんじゃないかと思われる可能性があります。
- 分かり切ったことを繰り返し聞く:例えばお互いに交換したプロフィールに書かれていることを何度も聞かれて、「この人真剣に考えてくれてるんだろうか」などと相手を不快な思いにさせることがありますし、健忘症じゃないかと疑われたりするかもしれません。
- 「お見合い何度目ですか」などという質問:おおきなお世話ですね。
- 「どうして自分(なんか)と会ってくれたんですか」と聞く:今、それを聞きますか?
- 「なんで結婚相談所でお見合いしようと思ったんですか」と聞く:あなたは?それに大きなお世話です。
以上の行為はやってはいけないタブーな行為の例です。実際にあった行為ですし、意外とやりがちなことでもあります。ぜひ気をつけましょう。
まとめ
婚活の明確な目的を見つけるには「自分を客観視できるかどうか」が大切です。
結婚相談所に入会直後では、「自分がどんな人を探しているのかは明確になっていない人」が多いようです。まずは自分なりの条件で選んだイベントに参加してみて相手を見極めるのも一つの手だし、第三者の客観的なアドバイスを素直に聞いて、自分なりに咀嚼して理解すること、そして実行に移すことが大事です。
人生経験を多く重ねて、他人からとやかく指摘をされる機会が少なくなりやすい世代ですが、ここは「婚活」という未知のステージだということに割り切って、善意で親身になってくれる第三者の意見を素直に聞いてみませんか。
付録:読んでもらいたい一冊
還暦目前のフリーランスの雑誌記者の男性が、果敢にも臨んだ婚活の実体験を生々しく語る「婚活ルポ」です。実際の婚活風景や男女の駆け引きの生々しい実態が詳しく描写されています。ぜひ一読されることをおススメします。
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