《更年期》に前向きであることです。
長年日本でもタブー視されていた女性特有の「生理(月経)」と中年男女に起こる「更年期」ですが、「生理(月経)」についてはようやくメディアなどでも前向きに表現され、抵抗もなくなってきました。
一方同じ生理現象でありながら「更年期」についてはまだまだタブー視されているのが現状です。
なぜ《更年期》には前向きではないのか?
その背景と今後の向き合い方について考えます。
イギリスではじまった「更年期革命」
2021年10月イギリス議会で更年期障害症状への対策を盛り込んだ「更年期法案」の審議が行われました。
きっかけは、自らも10年ほど前に更年期症状を経験し、ホットフラッシュ(ほてり・のぼせなど)や不眠、不安障害などの症状に苦しんだうえ仕事も辞めてしまわざるをえなかった一人の女性からの問題提起でした。
確かにイギリスと日本では国民性も違うし、生活慣習や意識も違う。そしてなにより日本のジェンダーギャップ(ここでは男女間の不平等とします)は、世界国際フォーラムの2021年のジェンダーギャップレポートで156カ国中120位で先進国のうちほぼ最下位という不名誉な位置付けとなりました。
そして各法案の最高決定機関である国会の比較でも、2019年2月現在イギリスの女性議員比率は約32%となっており政治への女性参画が拡大してるのに反し、日本の衆議院議員に占める女性の割合は約10%で、世界193か国中164位となっています。
日本では、審議の目途すら見えないという状況を理解しておかなければいけませんね。
更年期を取り巻く日本の現状
イギリスでは今後、対策本部が設置され治療費の補助や企業に対策を求める働きかけが具体化していくでしょう。
一方わが日本ではどうなるでしょうか
日本でも女性の「更年期」や「生理」について長い間タブー視されてきたという歴史があります。
しかし最近になって「生理」については理解や正しい認識を求める風潮が見られるようになってきましたが、「更年期」についてはまだまだそのような流れが見られません。
その原因はいくつかあります。
- 母親や姉妹が無症状で理解が得られない
- 年齢的に子育て・仕事のストレスだと勘違いしていた
- 職場ではだれにも相談できず抱え込んでしまった(NHKと専門機関が共同で行った調査では約6割の人が「職場で問題があってもだれにも相談しない」と答えています。)
- 「我慢しなければいけない」「話せないし聞けない」という社会的風潮があった
- 更年期は閉経の前後5年、合計10年間とされておりその期間我慢すれば何とかなると思い込んだ
- 職場では「ダメな人」というレッテルが貼られ、昇格も出来ない、職を失うという怖さがあった
- 家庭でもパートナーや子供たちの理解が得られずますます自分を追い込んでしまった
- 症状に個人差があり自分の苦しみが理解してもらえないケースがあった(更年期症状は約6割の人が体験し、そのうち約半数、全体の3割弱の人が症状が重い経験をしています)
- 更年期について「十分な知識がない」という人が約8割を超えている
- 「更年期」についてはネガティブなイメージが強く自分から隠そうとする
多くの問題は「更年期について正しい認識がない」「隠したがる」「職場で相談できる相手がいない」「パートナーの理解が得られない」「ある程度期間が消えているので我慢する」などネガティブなイメージが根強く残っていることから起きています。
すべての女性の生理現象であり、約6割以上が更年期を自覚し3割が重い症状に悩まされる「更年期」は、本人にとって身体的につらい時期であるし、精神的ストレスを抱える大きな要因ともなりえます。
社会的な対策や改善、アピールを期待することはなかなか難しいですが、本人の苦痛を取り除くには「正しい理解」「正しい治療」と「カウンセリング」が必要ですね。
「更年期」に関する対策は【更年期に対する対策】をご覧ください。
下記サイトは大変参考になるサイトで、この項でも十分参考にさせていただきました。ぜひ一度ご覧ください。
そもそも更年期とは(女性編)
個人差はありますがほとんどの女性は50歳前後の年齢で閉経を迎え、この閉経の時期をはさんだ前後5年間の合計10年(一般的に45〜55歳頃)を”更年期”といわれています。
年齢を重ねるごとに卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することでホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調があらわれるためこれが更年期の原因という人がいますが、心理的な要因(仕事や家庭環境など)も複雑に関与するため、個人差が激しく、全身のあらゆる箇所にあらわれます。
「更年期」の症状は人によってまちまちですが、日本人によく見られる代表的な症状は次の通りです。
- 頭痛・めまい・不眠
- 不安感・イライラ感
- うつ
- ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)
- 動悸・息切れ
- 寝汗・発汗
- むくみ
- のどの渇き
- ドライアイ
- 吐き気
- 便秘・下痢
- 胃もたれ・胸やけ
- 肩こり・腰痛・背中の痛み
- 関節痛
- しびれ
- 手指の痛み・しびれ・変形
- 月経異常
- 尿失禁
- 性交痛
などなど身体のいろいろな場所でその症状が出ることがありますし、個人ごとにそれぞれ症状の場所と重軽傷度が違います。
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更年期は女性だけの問題じゃない
「更年期」というと一般的に女性特有の症状と思われがちですが男性も「更年期」があり、ある点で女性の「更年期」よりも深刻な場合があります。
男性の更年期(LOH症候群)
男性更年期(LOH症候群)は主に加齢にともなう男性ホルモン(テストステロン)の低下に引き起こされる症状のことです。
「テストステロン」とは男らしい身体を作るほかテストステロンと非常に密接な生殖機能の向上肉体面・精神面の健康を促進する男性ホルモンで、10代前半から身体に変化をもたらし18~30歳くらいでピークを迎えそれから徐々に下降していきます。
そして40代後半からで50~60歳で男性更年期障害の発症がピークとなります。
原因の代表的な要因は何といっても「ストレス」ですね。
「テストステロン」は大脳の視床下部の指令で精巣で作られますが、心理的ストレスを長い間受け続けると「テストステロンはつくるな」という指令が出てしまうため心身に異常をきたすのです。
男性更年期障害の症状
身体症状
- 朝立ちの消失
- 勃起不全(ED)
- のぼせ・多汗
- 全身倦怠感
- 筋肉や関節の痛み
- 筋力低下
- 骨密度低下
- 頭痛・めまい・耳鳴り
- 頻尿
- メタボリックシンドローム・心筋梗塞・脳梗塞・がんのリスクの高まり
精神症状
- 不眠
- 無気力
- イライラ
- 性欲減退
- 集中力や記憶力の減退
- うつ症状
どれも放置すると重篤な症状につながる可能性があります。
男性更年期障害(LOH症候)の問題点
重篤な症状へつながるリスクのある「更年期障害」が問題点も浮き彫りになっています。
- 「男性の更年期障害」の認知度がまだまだ低い
- 人によって症状の現れ方がまちまちなので判断がしにくい
- 「年のせい」と勘違いしがち
- 年代的に職場でも重要なポストの方が多く評価が怖くて言い出しにくい
- 「更年期障害」だと知られるのが嫌だし相談する相手もいない
- 私生活でも頑張らなくてはいけない年代なのでつい放置しがち
- 女性の更年期はある程度期間の目安(例外もあります)があるが、男性の場合は長引く可能性がある
などいろいろな問題点がありますが、重篤な症状につながらないように、いま自分の症状はどのくらいなのかという目安を知るために「男性更年期・LOH症候群セルフチェック」でチェックしてみてください。
スコアが中程度の場合には一度受診されることをおススメします。
男性更年期障害の検査/治療が可能な病院を探すならコチラから→【病院なび】
更年期に対する対策
「更年期」は「他人に知られたくない」「相談する相手が見つからない」「我慢すればいづれ通り過ぎる」など会社の同僚や家族にさえもなかなか打ち明けにくい日本の風潮と思い込みがあります。
「更年期」の症状がある方には身体的に毎日苦しい思いをされている方もいらっしゃるでしょうが、周りに気遣うあまりストレスでなおも重症化することがあります。
また「更年期」は身体にいろいろな症状が出るため他の病気に罹っている可能性もありますし、その見極めが難しいことがあります。
なるべく早期で軽度な状態のときに適切な診察や相談をされることをおススメします。
- 専門医・専門資格者を見つけたい・・・一般社団法人 日本女性医学学会
*日本地図から近隣の専門医・専門資格者を探すことができます。 - 症状や治療について知りたい・相談したい・・・一般社団法人 女性の健康とメノポーズ協会
- 「更年期」情報サイト・・・更年期ラボ
まとめ
「国際女性デー」や2022年に国連から提唱された「SGDs」を契機に、メディアやネットなどで今までどちらかというとタブー視されていた生理や更年期について取り上げられる機会が増えてきました。
生理や更年期はほとんどの女性や、更年期については男性も抱える症状であるし、これからの社会意識では一人でも多くの認知と理解が必要な問題だと思います。
まして日本では少子高齢化や労働力の低下など多くの問題を抱えている中で、ジェンダーギャップの改善が喫緊の課題だと思います。
「更年期」を正しく理解し、広く認識を求めていくことと、自分から積極的に「更年期」に向かい合うことが大切だと思います。
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