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歯周ポケットが深くなる40歳代からの口腔内ケアが大事なワケ

美容・健康



お口の中は健康を害する危険リスクが潜んでいます。

マスクを付けて一日のほとんどを過ごす期間が長期化する中で、多くの人が「ある気づき」をすることになりました。

それはマスク内のニオイ、つまり口臭です。

口臭の原因はいろいろ考えられますが、主なものは次の通りです。

  • 生理的口臭
    寝起きや空腹時、緊張したときは唾液の分泌が減少しやすい状態になるため細菌が増殖して口臭が発生しやすくなります。これは誰でもおこりえる生理的現象で、唾液量が通常量に増加すれば急激に口臭は弱まり、生活習慣の改善でよくなるもので、治療の必要がありません。

  • 飲食物・嗜好品による口臭
    ニオイが強いニンニク、ネギなどの刺激性が高い食べ物や、多量の飲酒やタバコ等の嗜好品を嗜んだ後に口臭は発生しやすくなります。これ事体は一時的なものなので、時間の経過とともに臭いも無くなり治療の必要はありません。
    ただし長年の喫煙は口の中の健康状態を悪化させるリスクがありますので注意が必要です。

  • 病気などが原因の口臭
    鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患などが原因で口臭が起こる場合もありますが、その原因の口臭の90%以上はそもそも口の中にその原因があり、結局口の中の清潔が損なわれたことが口臭の要因であるといえます。

  • ストレスによる口臭
    ストレスにより唾液の量が少なくなると口の中が臭くなります。

  • ダイエットによる食事制限
    無理なダイエットの影響で唾液の分泌量も減少するため、口臭の原因につながりやすくなります。

  • 女性ホルモンの減少による口臭
    生理前から生理中の期間は女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌量が最も少なくなり唾液の分泌量の減少にも大きく関わりがあるため口内が乾燥しやすくり口臭が強くなるようです。
    更年期にもエストロゲンの分泌量が減るため、同じように口臭が強くなります。

  • 妊娠によるホルモンの増加
    女性は妊娠をすると、ホルモンの分泌量が通常の10~30倍になり、分泌量増加に伴い、ある種の歯周病菌が増殖し、口臭が強くなるようです。また、つわりによりオーラルケアが十分にできないことも、原因と言えるでしょう。

口臭の原因には、治療の必要がない程度のものがありますが、健康を害する危険因子は、口腔内で増殖する「細菌」なのです。

「細菌」がかかわる口腔内のトラブルでいま最も注目されているのが「歯周病」です。

ミドル・シニアの健康を害するリスクが高い「歯周病」

「歯周病」

歯周病の症状は

  • 歯肉炎(歯茎が腫れているなどの歯肉の炎症)
  • 歯周炎(歯を支えている骨が溶かされて歯がグラグラする症状)

の2つに大別され、原因の多くは細菌による感染症と言われています。

「歯周病」は初期の段階ではほとんど自覚症状はありません。

  • 最近歯の隙間が気になるようになってきた 
  • 歯磨きや、食事の時に歯茎から血が出る 
  • 朝起きた時に口の中がネバネバする 
  • 喉が渇きやすくなった 

などが気になってきたらある程度歯周病が進行しているサインかもしれません。

TVコマーシャルや他のメディアで「歯周ポケット」という言葉を耳にした方もいらしゃると思いますが、それは歯の根元に細菌のカタマリ(プラークと言います)が溜まり、歯茎に炎症が起こり結果、歯と歯茎の間に隙間が出来ている状態のことです。

この歯周ポケットが進行すると歯が抜けるなど深刻な事態に陥るほかに、健康を害することにもなりかねない状態を引き起こす要因になりかねません。

口腔内は常時平均37度前後で、適当な湿り気があり栄養分となる食物が通過する場所なので、細菌が増えやすい環境が整っています。

また差し歯や入れ歯の義歯の手入れを怠ったり、虫歯をそのまま放置しておくと、これがまた細菌が取り付きやすい絶好な住み家になるので、細菌の繁殖を増進してしまうことになります。

この「細菌」が及ぼす影響は口の中だけではありません。高齢になって体力的にも抵抗力も低下していくといろいろな重篤になりかねない疾患の原因になる可能性があります。

口の中の細菌が関与すると考えられている代表的な全身疾患は

  • 感染性心内膜炎
  • 敗血症
  • 虚血性心疾患
  • 誤嚥性肺炎
  • 糖尿病
  • 動脈硬化

などがあります。これらは口腔ケアによってそのリスクをある程度予防できることが分かっています。

ポイントは、常に口の中の細菌を排除して清潔を維持すること、細菌撃退の強い味方である「唾液」を正常な状態で機能するように心がけることですね。

40代が歯周病を気を付けるためのターニングポイント

「歯周病」はシニア世代がなりやすい病気なんでしょう。とお考えの方・・・

いいえ、それは違います。

「歯周病」は別名「サイレントディシーズ(静かなる病気)」と呼ばれ初期には痛みなどの自覚症状がほとんどないため、そもそも自分の「歯周病」が進行してことを自覚していない人が多いようで、厚生労働省の調査によれば、35歳を過ぎると程度の差こそあれ約8割以上が歯周病の症状があると言います。

だから40代になったら、特に気を付けなければいけない理由があります。

理由その1:体力や身体の変化

40代は体力の低下や身体の変化を感じるようになり始める時期です。

その衰えは口の中も同じです。

精神ストレス、体力の減退など年齢的な環境による影響や過度な飲酒、喫煙など体にダメージを与える行為をたび重ねることで口の中の細菌に対する抵抗力の低下をまねき、結果的に細菌を繁殖させ、虫歯や最悪、歯周病を発症させるリスクを受けやすい年代です。

口の細菌は、虫歯や歯周病の原因になりますが、口臭のもとにもなっています。今の時期はマスクをつけるのが常識ですが、いづれマスク解禁となれば年齢的に人に接する機会が多い年齢なので、周りに方のためにも口腔ケアは最も重要なエチケットの一つですよね。

理由その2:40代の約半数が歯を失っている

2016年厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によると44~49歳で1本でも自分の歯を失った人の割合は41,1%というデータがあります。

さらに50代前半では61.5%、50代の後半になると72.8%と年齢を重ねるとともに1本でも歯を失う確率がかなり高まります。

中高年の歯を失う最大の原因は歯周病です。35歳を過ぎると「歯周病」の兆候が見られ40代後半くらいで歯周病を原因のために歯を失う人が顕著になってきます。

まだまだ1,2本だからとあえて気にかけないよう楽観的に考えていると、すでに口の中は歯周病に侵されているということも十分考えられますので、まずは歯科医のアドバイスを受けましょう。

理由その3:女性ホルモンの急減

40代になると社会的責任やお子様とか家族の将来への不安などによるストレスや加齢によ体力の衰えなど多くの体の変化が感じられる年代です。お口の中も当然この影響があります。とくに女性の40代は閉経を前に女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌が急激に減少してくる年代でもあります。

更年期に伴いエストロゲンが欠乏してくると、全身の骨密度の低下が進み、歯を支えている歯槽骨がもろくなっていきます。

また、歯と歯ぐきの境目では炎症を起こす物質の分泌が盛んになり、歯周病を悪化させることになります。

ほかにも、更年期に女性ホルモンのバランスが乱れてくると、唾液の分泌が減って口が乾き、いわゆる「ドライマウス」が起こりやすくなるため、歯周病のリスクも高まるのです。

理由その4:唾液は30代をピークに減少していく

唾液には重要な働きが7つあります
 ①消化作用(食べ物を消化する働き)
 ②保護作用(お口の中に傷が出来ない様に守る働き)
 ③洗浄作用(お口の中を洗いきれいにする働き)
 ④殺菌・抗菌作用(細菌が入ってくるのを防ぐ働き)
 ⑤緩衝作用(お口の中を中和してくれる働き)
 ⑥再石灰化作用(虫歯を防ぐ働き)
 ⑦排出作用(異物などを体から排除しようとする働き)

お口の中だけでなく体全体の健康にかかわる重要な役目を担っているんです。まるで国際空港の税関窓口のように重要なんですね。

その重要な唾液が30代をピークに減少することが分かっています。まして40代になれば実感として感じる人も多いのではないでしょうか。

歯周病予防にすること

歯科医の検診

まずは現状お口の中はどういう状況なのか、歯科医に診てもらって詳しい状況を理解することです。初期の歯周病は自覚症状がほとんどないので自分では気づかないことがあります。なんの病気でもそうですが、早期発見・早期治療が原則です。

適切で丁寧な歯磨き

毎日の正しい歯磨きによるプラークの除去が必要です。歯周病はまず細菌の塊であるプラーク(歯垢)が歯茎の炎症を起こすことから始まります。細菌はバイオフィルムという薄い膜を作り歯に貼りつきまが、バイオフィルムには薬品が効きにくいので、丁寧な歯磨きが必要となります。

1日当たりの歯磨きの回数ですが、厳密に何回という決まりはありません。しかし歯磨きの目的は細菌の除去ですので、1日の生活パターンのなかでポイントとなる歯磨きは夜寝る前と朝起きた後です。

キーポイントは就寝中。就寝中は唾液の分泌も少なく、口呼吸で就寝している人は極度のドライマウスになって唾液の効用も阻害しているわけですから細菌は繁殖し放題。

一説によると朝は、便10gと同じ菌が口の中にあるのと同じくらいの細菌があると言われています。もしそのまま何もしないで起きてすぐ飲食すると、その細菌を飲み込んでいることと同じということです。想像しただけでぞっとしますね。

1日の歯磨き回数の最低回数は2~3回ですが、朝起きた後、朝食後、ランチの後、就寝前の計4回がいいようです。下記サイトをご参照ください。

朝の口臭の原因!便10g分の菌まみれな口の必須ケア | ハルメク美と健康
口もと美容スペシャリストである、歯科医師の石井さとこさんに、美しい口もとを保つためのオーラルケアの基礎知識を伺いました。今回は、朝の習慣に取り入れたい「口ゆすぎ」のやり方について学びます。

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デンタルフロスの活用

細いナイロン繊維からできているデンタルフロスを歯間部の清掃に使用するとその部分のプラーク(歯垢)を効率よく取り除くことができます。こちらもぜひ参考にしてください。

舌磨き

お口の中で細菌が取り付きやすいのは歯だけではありません。舌にも細菌は生息しています。つまり舌の汚れを取り除き、洗い流すことも重要です。

今は「舌ブラシ」がいろいろ販売されていますので、これを利用してこまめに舌の表面の汚れを取り除くことも効果的です。ただあまりゴシゴシとブラッシングすると舌を痛めてしまうし、1回程度ではなかなか細菌の除去は完全にできませんので、習慣づけてブラッシングするということを心掛けるのがいいようです。

虫歯予防ガム

気軽に口の中の清潔状態を保つ方法として虫歯予防ガムを利用するというのも効果的です。
唾液の分泌を促進し、細菌を除去する効果が期待できますので歯磨きが出来ない場面の食後などはとっても有難いですね。


打ち合わせや接客などオフィシャルな場面では難しいこともありますからそこはうまくTPOにあわせて習慣化してください。

カルシウムとフッ素が多く含まれている歯科専用ガム「POs-CaF(ポスカ・エフ)がオススメです。

唾液を増やすマッサージ

在宅ワークや不要不急の外出自粛生活が続いている影響から他人との接触が少なくなり会話など口を動かしたりする機会が減っていることや、外出してもマスクで息苦しさを感じ、無意識に口呼吸をしてしまい、唾液の分泌量が減る傾向にあります。

そんな事態が続くとお口の中の衛生状態も低下しますので「唾液腺マッサージ」でつねに唾液の分泌を促しましょう

まとめ

口の中は、肌や髪、運動能力、記憶力の低下など加齢による衰えを感じるのと同じに確実に機能が衰えていきます。

今回は、人がその衰えを実感しやすい40代に焦点を置いて記事を掲載していますが、「歯周病」については少しでも早い時期、例えば10代後半や20代全般から気にしているのがベストと言われています。

40代はいづれ向き合うようになりえる要介護世代を、少しでも快適に過ごすため「歯周病リスク」を軽減する最後の砦として考察いたしました。

「在宅要介護高齢者の介護者の口腔ケアへの認識」によると、介護する人たちの口腔ケアへの認識はあまり芳しいものではないようです。

  • 口腔ケアを行ったことがある:46%、行ったことがない:54%
  • 口が汚いと誤嚥性肺炎などの全身疾患になる可能性があることを
    知っている:38%
    知らない:62%

    という実情があります

    ●引用及び参考推奨サイト:健康長寿ネット

全国の関連施設の方々も日々努力と改善に向き合っていられると思いますが、現場は人手不足という状態が続いており、現実はかなり厳しいようです。

自分の身はできる限り自分で守るということを考えておかなければいけませんね。

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